学問・資格

2011.05.17

那須正幹『ズッコケ中年三人組 age43』

那須正幹『ズッコケ中年三人組 age43』ポプラ社, 2008.12

目次
なし。本文では30章まで付番されている。
「あとがき」は2ページ。本書の主題である裁判員制度を執筆するについてのコメントで、かつてのシリーズへの言及はなし。

 子どもの本を借りに、図書館に行く。
 自分が子どもの頃読んだズッコケシリーズを、実家からもってきてある。それをわが子も、そこそこ読んでいる。
 閉館間際の児童書の書架の間でたまたま手に取ったのが、本書。

 『ズッコケ中年三人組』が出た時のAmazonの評価は読んでいた。
 元のシリーズ50巻完結からそう時をおかずに、出た。
 小学6年生から40歳って。確かにびっくりだ。
 今回手に取ったのも、その巻だと、当初誤解していた。
 まさか、シリーズ化していたとは。

 本書自体は、一気に読んだ。
 うん、ズッコケだ。
 本当の、自分の現実そのものではなく、かといって絵空事というほどの作り事でもない。
 扱われる題材の広がりと、描かれる心。
 おトク感と、物語の中だけれども隣に等身大の友達や自分がいるような気持ち。

 裁判員裁判、勉強になりました。
 こちらもどうぞ。

 法教育フォーラム:『ズッコケ中年三人組age43』~法教育素材の紹介3

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2011.05.16

市民と司法の架け橋を目指して

 地震の話である。

 昨年、法テラス(日本司法支援センター)のシンポジウムに参加した。

 日本司法支援センター:シンポジウム 市民と司法の架け橋を目指して-地域ネットワーク活動の担い手としての法テラススタッフ弁護士-を開催しました

 大変な盛況であった。おかげで、登壇前の草野満代さんを、近くで見ることができた。
 厚生労働省では、ケースワーカーと司法との連携を積極的に考えているらしい。フロアにも厚労省関係者一同がおいでになっていた。驚いた。

 追記:Togetter - 「市民と司法の架け橋を目指して」の実況とその関連ツイート

 図書館は、どうだろうか。
 自分は必ずしも「何でもかんでも図書館で」と考えるものではないが、図書館に関わる人々は、こうした動きを捉えているだろうか。

 登壇されていた、女性スタッフ弁護士が、印象に残った。
 パネリストだけでなく、総合司会もやってらしたんだもの。

 この地震で、この方のブログを見かけた。

 トミーの弁護士日記:福島・相馬へのエール

 改めて覗いたところ、続く記事も掲載されていた。

 トミーの弁護士日記:葦名弁護士が見た相馬

 葦名弁護士の記事は、別のところでも出くわした。

 津久井進の弁護士ノート:頑張れ、頑張れ、頑張れ

 5月7日の投稿でもわかるとおり、津久井弁護士は次の本を出したところだ。

 津久井進『Q&A被災者生活再建支援法』商事法務, 2011.5

 本書の紹介は、次の記事をご覧ください。
 図書館界でも知られる片山大臣の記述あり。

 Everyone says I love you !:Q&A 被災者生活再建支援法 弁護士津久井進著 緊急出版! 商事法務

 シンポのタイトルは、法テラスの活動を紹介した本のタイトルでもある。

 『市民と司法の架け橋を目指して 法テラスのスタッフ弁護士』日本評論社, 2008.6

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2011.05.15

震災関連法情報リンク集のリンク集

 弁護士菊元成典(大阪)
 規模地震災害について、法律家としての支援のために(参考ウェブ、文献まとめ)

 法律図書館司書
 東日本大震災 法情報ライブラリー

 司法書士・今井法務事務所
 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)関連の情報リンク集
 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による被災者の生活保護の取り扱い

 時間を無駄にしたいんですか?
 震災関連法律リンク (リンク先はその6)

 なのはな国際法律事務所
 東日本大震災の被災者への法的支援に関するウェブサイトと参考文献の情報をまとめました
 東日本大震災の被災者支援の無料法律相談

 イデア綜合法律事務所有志 弁護士坂野真一・弁護士加藤真朗
 災害・地震の法的知識

 中央大学
 震災関連情報ポータル
 L・L便り 市ヶ谷キャンパス図書室Law Library便り ※pdfへの直接リンクです。

 小松亀一法律事務所
 震災等災害関連情報に関する役立ちHP紹介

 のぞみ総研 法務コンシェルジュ
 震災対策関連法務リンク集

 クレステック 法制執務室
 東日本大震災に関する、行政機関等からの通知・報道発表等のページ

 情報法学日記 by 岡村久道
 震災の法律Q&Aウェブページ(無料のもの)

 国立国会図書館 リサーチ・ナビ
 東日本大震災関連の法情報リンク集

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2010.07.27

目次:中根憲一『刑務所図書館』

『刑務所図書館 受刑者の更正と社会復帰のために』
中根憲一
出版ニュース社,2010.3

目次

はじめに

第1章 新監獄法下の刑事施設における書籍等の取扱い

I 新監獄法の成立
II 新法の書籍閲覧関係規定
III 新法下の刑事施設における書籍等の取扱い
 1 自弁書籍等の取扱い
  (1) 書籍、雑誌等
  購入受付/購入上限冊数/購入・差入れ状況/内容の検査/交付/保管/閲覧後の雑誌の取扱い
  (2) 新聞紙
  指定紙/購入受付/購入状況/内容の検査/交付/閲覧後の新聞紙の取扱い
 2 備付書籍等の取扱い
  (1) 書籍、雑誌等
  購入予算/備付書籍等の内容/所蔵状況/貸与方法/貸与日/貸与冊数/貸与期間/貸与状況
  (2) 新聞紙
 3 閲覧場所
 4 閲覧時間
 5 書籍等の閲覧の停止
 6 書籍取扱担当者
 7 公共図書館との関係

第2章 わが国の刑事施設における書籍等の取扱い

I 監獄則時代
 1 明治5年監獄則時代
 書籍閲読の許否基準/官本/私本/新聞
 2 明治14年監獄則時代
 書籍閲読の許否基準/官本/私本/新聞
 3 明治22年監獄則時代
 書籍閲読の許否基準/官本/私本/新聞
 4 明治32年監獄則時代
 書籍閲読の許否基準/官本/私本/新聞

II 監獄法時代
 1 戦前期
 (1) 治安維持法制定前まで
 書籍閲読の許否基準/官本/私本/新聞
 (2) 治安維持法制定後
 官本/私本/新聞
 2 戦後期
 書籍取扱いの基本方針/官本/長野刑務所図書館の設立/私本/新聞/監獄法施行規則の一部改正、「収容者に閲読させる図書、新聞紙等取扱規程」の制定

第3章 英国の刑務所図書館

I 現状
II 法的枠組み
III 新ガイドライン案
 (1) 施設
 (2) スタッフ
 (3) 資料
 図書/視聴覚資料/レファレンス資料/新聞・雑誌/図書館資料の帰属、紛失・破損/資料購入費
 (4) サービス
 開館時間/来館利用時間/貸出冊(点)数/読者開発(reader development)/ICT機器の備付け/通信教育に対するサポート/社会復帰のための情報提供、助言、指導(IAG)/隔離棟・病棟に対するサービス/被釈放者に対するサポート
IV 実態調査
 (1) 施設
 (2) スタッフ
 (3) 資料
 (4) サービス
V 運営事例
 1 バーミンガム刑務所図書館
 (1) 施設
 (2) スタッフ
 (3) 資料
 (4) サービス
 開館日、開館時間/貸出/読者開発活動
 2 ワンズワース刑務所図書館
 (1) 施設
 (2) スタッフ
 (3) 資料
 (4) サービス
 開館日、開館時間/貸出
 3 アルトコース刑務所図書館
 (1) 施設
 (2) スタッフ
 (3) 資料
 (4) サービス
 開館日、開館時間/貸出/読者開発活動

VI 13年ぶりに見た英国の刑務所図書館
 (1) 専門職スタッフの増加
 (2) 図書館担当刑務官の配置の縮小
 (3) 分館の廃止・縮小
 (4) ICT機器の普及
 (5) 視聴覚資料の充実
 (6) 教育的機能の拡充強化

第4章 わが国の刑事施設にも図書館を―おわりに代えて―
 1 新法第72条第2項の見直し
 (1) 「矯正処遇等の実施に当たり備付書籍等を活用する」旨の目的も必要では
 (2) 「備え付ける」ではなく、「図書室」の設置を
 (3) 第72条第2項は第8部の冒頭に
 2 図書室の設置
 3 公共図書館との連携
 4 その他
 (1) 備付書類等の共同購入・相互利用
 (2) 書籍取扱業務研修の実施
 (3) 新法第152条(同居罰の内容)の見直し
 

参考資料
 資料(1) 被収容者の書籍等の閲覧に関する訓令 (平成18年5月23日矯正訓第3300号法務大臣訓令)
 資料(2) 収容者に閲読させる図書、新聞紙等取扱規程(昭和41年12月13日矯正甲第1307号法務大臣訓令)
 資料(3) 矯正図書館基準案(法務省矯正局教育課 [昭和28年])


「受刑者にも図書館サービスを―求められる公共図書館と刑務所のパートナーシップ」(『出版ニュース』1998年10月上旬号)
 なぜ「受刑者にも公共図書館サービスを」か?
 目を見張る欧米の公共図書館の対刑務所サービス
 公共図書館と刑務所のパートナーシップの確立を

「刑務所にも図書館を―受刑者の立ち直りと社会復帰のために」(『出版ニュース』2007年3月中旬号)
 新監獄法が成立。だが、刑務所図書館は…
 「本と読書」に関わる諸規定についての若干の感想
 刑務所にも図書館を
 公共図書館との連携も
 受刑者の立ち直りと社会復帰のために

刑事施設一覧

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2010.07.26

冊子型の加除資料+ネットワーク版

法令集と電子出版:図書館員の愛弟子

 ムムリクさん、コメントありがとうございます。
 都合いいときに返信させていただきますね。申し訳ないですけど。

 先の記事を書いてから思い出したことですが。
 LexisNexis.com上の法令集は、「毎年版の現行法令集」でした。制定法令を探すのはかえって難しい。
 合衆国の場合、元の紙の法令集が、連邦も州も「現行法令集」を刊行するスタイルだった、ということもあると思います。
 日本でも、これやってくれないかなあ。「ある時点で固定した総合法令集」って、ないみたいなんですよね…。

あるいは、基本印刷だけれど、会員制のウェブサービスで電子版の利用ができるとか。検索性命という使い方をしたいときにはそこにアクセスとか。

 最近刊行された、ぎょうせい『現行六法』がそんなふうです。
 冊子型の一番大きな法令集と、加除式総合法令集との間に、中規模の加除式法令集があるんですが、ぎょうせいはこれまで出してなかったようです。
 これが、冊子スタイル。アメリカ型です。加除は冊子単位なので、ある時点での保存をしていくことができます。それに、デジタルのネットワーク版を組み合わせて出してきました。

 これ、よく考えると、おもしろそうです。
 注目、…されないか…。

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2010.07.25

目次:山本譲司『続 獄窓記』

『続 獄窓記』
山本譲司
ポプラ社, 2008.2

目次

序章

私の願い

第一章 囚人コンプレックス

長い一日/出所後の罰/見えざる壁/雲隠れ/刑期満了

第二章 『獄窓記』という一冊の本

起筆/出版決定/再出発/波紋/取材依頼/意気投合/明日から

第三章 触法障害者と呼ばれる人々

支援スタッフとしての日々/タッ君のこと/捕らわれた知的障害者/始動/塀の中の友人/また、会える/彼らの尊厳/扉

第四章 本当の福祉を探して

法務省での講演/施設の現場へ/グループホームでの出会い/医療刑務所訪問/八月三十日/"更生保護"とは?/映画『ライファーズ』を観て

第五章 PFI刑務所

演者/PFIとは?/四年半ぶりの議員会館/開札

終章

いつの日か

あとがき (2008年1月)

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2010.07.24

目次:山本譲司『累犯障害者』

『累犯障害者』
山本譲司
新潮文庫, 2009.4
※この作品は、平成18年9月に新潮社より刊行された単行本に、第4章(『新潮45』平成19年9月号、第5章(『別冊宝島Real』平成20年9月発行)を加筆の上、追加したものである。

目次

序章 安住の地は刑務所だった―下関駅放火事件

 「刑務所に戻りたかった」/塀の中で半世紀/犯人との対話

第一章 レッサーパンダ帽の男―浅草・女子短大生刺殺事件

反応なき被告/気になる殺人事件/新聞・テレビの報道が突如消えた/いじめの標的/放浪生活の果てに/二度の服役/悲劇の家庭/自責の念に駆られる関係者たち/動機/反省とは何か

第二章 障害者を食い物にする人々―宇都宮・誤認逮捕事件

刑務所にいることが分からない受刑者/誤認逮捕/連続強盗事件/物証ゼロ/「俺、やってねぇーんだ」/警察・検察のためのセレモニー/不自然な親子関係/無罪判決/密室での取調べで何が…/見てきたような状況描写/閉鎖病棟での隔離生活/ヤクザに食い物にされる障害者

第三章 生きがいはセックス―売春する知的障害女性たち

選挙運動中に聞いた女性の叫び声/「要保護女子」の実態/親子二代で売春婦/「楽しかったからいいじゃない」/「生きがい」としての売春/「性」に対する強い執着

第四章 ある知的障害女性の青春―障害者を利用する偽装結婚の実態

懲役一年二ヶ月/偽装結婚グループ/表面だけの解決/ヤクザの元へ/どうせあたし、人とは違う

第五章 多重人格という檻―性的虐待が生む情緒障害者たち

解離性同一性障害/くり返された「日常的近親相姦」/自分を責め続けるもう一人の人格/顕在化しにくい親からの性的虐待/「触らぬ神に祟りなし」の児童相談所/「大村椿の森学園」から見えてくる希望

第六章 閉鎖社会の犯罪―浜松・ろうあ者不倫殺人事件

ゲームセンターの名物親子/凶行/杜撰な隠蔽工作/被害者も加害者も「デフ・ファミリー」/かつては罰せられなかったろうあ者/刑務所の中のろうあ者/手話通訳裁判/弟が語った加害者の生い立ち/給料の前借りと無断欠勤/元妻との会話/携帯メール一万回以上/頓珍漢なやりとり

第七章 ろうあ者暴力団―「仲間」を狙いうちする障害者たち

公判停止になった裁判/ろうあ者だけの「組」/手話で脅迫/九歳の壁/ろうあ者のオピニオンリーダー/山口・同僚刺殺事件/劣等感と疎外感/ろうあ者から寄せられた「嘆願書」

終章 行き着く先はどこに―福祉・刑務所・裁判所の問題点

ある聴覚障害者の出所/伊勢佐木市・女性監禁餓死殺人事件/障害者一家/福祉にも無視される触法障害者/「重度障害者重視」の弊害/ホームレスかヤクザか閉鎖病棟か…/刑務所の中で保護される障害者/変わりつつある刑務所/刑事裁判の問題点

あとがき 2006年8月13日
文庫版あとがき 2009年2月26日
解説 江川紹子 (2009年2月、ジャーナリスト)

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2010.07.16

法令集と電子出版

 デジタルフィーバー:つらつらぐさ

 私のブログを見捨てないでいてくださる、ムムリクさんの記事にトラックバック。
 元の記事全体の趣旨はもちろん賛同。

 積読本の山に埋もれている身としては、デジタル化は本当にありがたい。
 知人はiPadで、「EPWING規格の電子辞書を読んで」います。
 昔発売された、手塚治虫全集がとうとう生きるときが来たって。
 …自分も買っておけばよかった。手塚治虫全集DVD(泣)。
 彼には、かつてエキスパンドブック形式で発売された、新潮社『シャーロックホームズ全集』を読んでみてよ、と頼んでおきました。

 脱線しました。
 記事で「おっ」と思いましたのはここ。

 その意味では、加除式法令集などは電子書籍化することで、かなり利便性も向上するし、出版コストも大きく下がるはず。追録の発行も不要になるうえ、なにより加除作業がいらない。まあ、どうしてもというなら diff を応用して加除させるようにしてもよいけれど、ブロードバンドの普及した時代にあって、まるごと新しいファイルをダウンロードさせても、さほど負荷になるということではないのではないかと。基本、テキストなんだし。

 加除式法令集かあ、なるほど。
 加除作業の面倒さがなくなるってのは、そのとおりですね。

 テキストなんだから容量が大きくなるわけがない「現行総合法令集を全文テキストで」というのは納得だなあ。
 加除にするより、3カ月おきくらいのその時点での全文ファイルを、アーカイブして、毎回分ダウンロードできるようにすればいい。
 デジタルテキストにするんだったら。

 でも…どうなんですかね、あの目次や索引って、「厚み」があるから、体系性が理解しやすいような気がしません?
 本体も、目次も。

 有料の法令・判例データベースで、「体系目次」がありますけど、PCの画面目視ではまったく使えません。
 目視では、紙自体の方が、よいです。
 体系目次自体を探している語で検索することはあります。これは使い方を初めて教えてもらったとき、ああ、こうやって使うんだと感心しました。

 紙の法令集は、体系性が一覧できるから、メリットがあるような気がします。
 紙のイメージを把握できるようになったという意味では、充分、これまでのビューワーより格段に近づいてきた気もします。どうなんだろう、もう「そのもの」なのかしらん、「あと一歩」なのかしら。
 そうは言っても。
 現状で電子版"擬似"紙の法令集が出てしまったら。
 紙の法令集、売れなくなるだろうなあ。

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2010.07.14

催事:岡崎市立中央図書館へのアクセスはDoS攻撃だったか?

情報ネットワーク法学会 - 第1回「技術屋と法律屋の座談会」
主催:情報ネットワーク法学会 セキュリティと技術の信頼性に関する研究会
テーマ:岡崎市立中央図書館へのアクセスはDoS攻撃だったか?
開催日時:2010年7月16日(金)18:30~20:30
開催場所:世田谷区立北沢タウンホール3階ミーティングルーム
最寄り駅:小田急線・井の頭線 下北沢駅徒歩5分
参加費:学会員・非学会員とも無料

申込はWebから。
日がありませんので、ご注意を。

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2010.06.27

感想:『獄窓記』ようやく読了。

 刑事政策関係の新書が、昨年は立て続けに出版され、このところそれらを読んできた。
 山本譲司氏のこの本は、矯正行政関連では必読とされている。
 図書館に予約して、云々…※この項、独立して次の記事へ。

 メタ獄窓記と言われる『続 獄窓記』から図書館で借りられそうだったし、いきなり最初の獄中記から行くのはためらいがあった。しかし他の本を借りていたりして、結果的にこの最初の著作からとなった。
 通勤電車では、文庫本がやはりありがたかった。

 刑務所内の記述に接する懸念は、気にしすぎだった。むしろ「普通の感覚」での記述であって、すっと入っていくことができた。
 読み始めてすぐにかなり引き込まれたのに、最近は、仕事も充実している?割に、疲れてしまって生活の組立もうまくない。
 結局、病院での待ち時間に、最後の三分の一を読み終えた。

 その重要性は、Amazonのレビューでも、いろいろなサイトでも言及があるから繰り返し述べない。同意する。
 しかし、やはり読んでみてよかった。
 自分の個人的な生活経験を省みて、感ずるところがあった。
 例えば、最初にグッと来たのはここ。

 p.162.「息子の両手がこちらのほうに伸びてきたが、それをアクリル板が遮る。しかし、息子は、私に抱っこをせがむように、何度も同じ動作を繰り返している。私は、その愛くるしい仕草に見入るばかりで、次の言葉がなかなか出てこない。」

 p.349以降の「恩人の死」は節全体にグッと来る。

 p.352「恩人の告別式に参列することも叶わない現在の我が身に、切歯扼腕する。」
 p.356「でもさ、俺だけじゃなくってさ、塀の中にいる間に、親兄弟や世話になった人に死なれちまうってケースは、けっこう多いんだよな。…なんだかさ、俺たち受刑者っていうのは、法律だけじゃなくって、運命によっても罰せられてるんじゃないかって、つくづくそんな感じがするんだよな」

 書き出してみると、ありきたりだ。涙もろいだけかもしれない。
 でも、読んでいて、「この自分」の心がグッと来たのは間違いないし、他の人に「前後を読んでみて」という気持ちになる。
 ほかにも、考えさせられる、感じたところは多い。

 あなたも受刑者になるかもしれない。
 案外と、簡単に。
 受刑者になったらどうなるか。
 終章に至るまで、それが書いてある。
 家族、それも子どもとの生活、近親者の死…。
 時間は、誰にでも平等に過ぎていく。

 いまの社会を考える上で、ぜひ手に取ってほしいと思う。
 今回の選挙の投票前に、ぜひ。
 ただ、個々の政治家の名前が挙がっているが、自分は直接の判断の材料にはしない。

 さーて。次の『累犯障害者』『続 獄窓記』の読了は、いつになるかなあ。

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