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2011.06.16

感想:那須正幹『ズッコケ三人組の推理教室』

 しまった。
 「ホームズにインスパイアされた三人組」の話があったとは!

 「"シャーロキアン"ということばをごぞんじだろうか」。
 冒頭からホームズ物語と愛好家たちの紹介から始まる。
 かぶれるのはハカセだ。
 学校図書館。『緋色の研究』。

 「しっかりしてよ。あなた図書委員でしょ。シャーロック・ホームズくらい知ってなくちゃあ。」
 和代の発言は、ハカセのプライドをいたくきずつけた。

 続く描写。
 …。
 ホームズにハマるパターンだなあ。もう。
 ハカセが小説を読まないのは確かに共通項だけど、それだけでなく、案外人物造形はホームズと似ているような…そう思いながら読んだ。
 ズッコケには推理ものも多かったが、どの巻も謎解きの要素がある。
 『ズッコケ中年三人組 age43』も裁判ものの体裁をとってはいながら、ミステリ風味だった。
 謎解きで活躍するのはハカセだ。

 モーちゃんが『緋色の研究』を読んでいたことは、意外。
 大人向けの文庫版でも入りやすい話ではない。子ども向けは、どの版だったのかな。1989年刊行当時だと、岩波少年文庫か。
 ハカセがホームズにイカれる構成上、最初に『緋色の研究』をもってきたんだと思うが、モーちゃんが読んでいたのが最も著名な短編集『シャーロック・ホームズの冒険』でよかった気もする。
 花山第二小学校の学校図書館では『緋色の研究』を含むホームズ物語が揃っていて、モーちゃんも読んだということか。
 彼、意外と読書家なんだな。

 端々にホームズかぶれを思わせる描写を入れつつ、いつものズッコケだった。
 最後のしめが駆け足に感じられ、ちょっとすわりが悪い。

 どこかで耳にしていたのかもしれないが、読もうともしていなかった。
 子どもの頃、近所に使いやすい図書館はなく、本は買うしかなかった。
 「(半年に一度出る)ズッコケは、もうついていけないな」。
 単行本では小遣いが続かなかったのと、場所塞ぎだった。
 しかし、この『…推理教室』まで読んでいたら、そのまま読み続けていたかもしれない。
 文庫版も数年後に出ていたようだし。
 …といっても、この刊行年だと微妙かな。自分がやめてしばらくして、文庫版の刊行が始まったという感じか。

 光村図書の中学3年生国語教科書の読書案内に、新潮文庫版ホームズがあるとのこと。
 そういえば先日、学校図書館に勤める知り合いに「ホームズは、どの版がいいか」聞かれたりもした。
 日暮雅通訳の光文社文庫が完結。青い鳥文庫も新装丁で刊行中。
 創元推理文庫では、深町眞理子訳の新版が刊行中だ。
 前の版の阿部知二訳に思い入れがある。絶版は残念ではある。
 今は「パスワード」シリーズや「夢水清志郎」があるけれど、ホームズも、読まれているだろうか。

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Comments

なんだか名探偵コナンかどちらか、という趣もですね。

しかし子供向けとなると、なかなか難しい感じもありますね。

Posted by: ムムリク | 2011.06.16 at 21:30

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