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November 2007

2007.11.26

昨今の図書館情報学における疑問:矢祭町立図書館

 学問的状況をざっとも調べきれず申し訳ないのですけれども…。以下の疑問、半年以上寝かせたままになってしまっています。
 ご存知の方あらばご教示ください。トラックバックお待ちします。

 資料寄贈を全国に呼びかけた矢祭町立図書館。この蔵書構築の手法には非常に評価が高いようです。
 私は単に批判するものではありません。多くの方(ブロガーやマスコミ)が指摘されるように今回の件では、「自治体が図書館を作る」こと、「市民が図書館を作る」ことに、それぞれの主体に強い認識があるとおぼしき記述に出会います。素晴らしいとしか言えなくなってしまうような。

 しかし、私が気にかかってしかたがないのは、秋田県北部でボランティアが同様に全国に寄贈を呼びかけ、失敗した事例です。
 私は、1998年10月に開催された全国図書館大会秋田県大会の公共図書館の分科会に参加し、この件についてのやりとりを耳にしました。資料に拠っておりませんので間違いがありましたら申し訳ないのですが、当時JLAで町村図書館の振興活動に力を入れておられた糸賀雅児先生が壇上で「うまくいかないだろう」と述べておられたことを記憶しております(追記:糸賀先生でなかったらごめんなさい)。そして実際に失敗した。成功したとは聞いておりません。

 このたびの矢祭町の事例は成功事例なのでしょう。しかし、私は学術的な分析があるならば、それを読みたいと思います。秋田がなぜ「失敗」し、矢祭町がなぜ「成功」したと評されるのか。

 よくわからないのは、学問に携わる方の態度です。1998年はそんな昔でしょうか?
 大学の関係者でなくとも、有意の図書館員ならば、矢祭町の事例を耳にした瞬間、秋田の事例を思い起こすものと思いたい。

 矢祭町の事例を分析した文献があれば、紙媒体・ネットを問わず、ぜひお知らせください。もちろん、その文献には、先行研究・先行事例への記述が含まれていることを前提とします。
 矢祭町の事例が、一般的な方法論を含んだものなのか、時代の流れに乗って評価されただけにすぎないのか。そこを知りたいのです。

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2007.11.27

矢祭町立図書館の学問的評価に期待する(期待させて…)

愚智提衡而立治之至也:「全国ありがとう文庫」のことなど

 G.C.W.さんこんばんは。
 日中の疲れを吹っ飛ばすようなエントリー、ありがとうございました。

 矢祭町立図書館の評価にしても、西木村の事例に対して、これだけの裏付けと考察があればそれなりに納得もできようものです。本当の確信は、矢祭の例も西木村の例も自分で調べてから、ですがそこはご了解ください。
 「全国ありがとう文庫」を2006年3月の段階で採り上げていたとは。
 自らここまで調べられなかったことを、率直に恥ずかしく思います。しかし、よく短時間に調べられましたねえ。

 私の場合結果的には、「玄人の嘲笑」かどうかは知りませんが、

> 寄贈書が集まらないことに対してではなく,
> 予想以上の寄贈書が来たことと,その整理ができないこと,
> 寄贈書の中身がほとんど使えない本だったと伝えられたことへのものです.

 確かにこれら報道があったことから、思考停止していました。

(以下は、勢いで書いてます。推敲不充分お詫びしておきます。)

 ただ、Library of the Yearや、学問に時間を費やしているはずの研究者や学生さんが、矢祭町立図書館及びその先行事例と考えられる西木村の例に対して、G.C.W.さん以上に踏み込んで検討評価されているならばよいのですが、そこまで意を用いた報告を目にできていません。なぜなのかなあ、それこそ私の「アンテナ」が不充分なんでしょう。
 総合展に行ってきたよ~という記事もおもしろい(でもそれって、育児日記や学生の生活日記と変わらないよね?それだけでも数が少ない)のだけど、それより、骨のある記事を読みたい。

 見聞してきた件の事実や評価のポイントがどこで(紹介)、最低、その話題に関する資料を集め・まとめる(書誌作成・参考情報の採集)。論拠を並べて「自分がどう思ったか」(分析評価・結論)。
 採り上げられているのとは違う事実や評価を探し出してきて、自分の頭で考える。何でも疑う、権威ある方に対しても不遜なぐらいでないとね、と思うんです。それも頭の中で考えたことだけ書き連ねるのではなくて、足や手を使って、調べて。

 こういった記事はブログに期待するのではなく、卒論や修士・博士論文でやっていただくことで、学界の底上げに期待する―と考えるべきなんでしょうか。

 私は、「うまくいかないでしょう」という発言を耳にしたとき、「そんなものかなあ。どうしてかなあ」と思いました。「うまくやるにはどうしたらいいんだろう」とは、相当に漠然と。
 私は指定管理者制度等はよく理解できていませんので、軽々に述べられないのですが、少なくとも西木村の報告は当時、ボランティアの意識や実行力自体には素晴らしいものを感じました。これを生かせないのか、と。
 そう、図書館は(仮に専門職の)司書の力「だけ」でもうまくいかない。当時の私でも、これくらいは念頭にありました。誰でもが考えることだと思いますが。

 本と読書の問題って、別に図書館だけがやることじゃない。
 それを踏まえて、図書館がどうして大事なのかを考えたい。
 ボランティアでいい、予算がなくていいなんてことまでは、言ってはいないですよね。

 G.C.W.さんがざっとおまとめになられたことも、インタビュー調査で掘り下げたり、推論・評価についてはきちんと検証し、最後はモデル化すると、ものすごくいい研究になると思うんだけどなあ。G.C.W.さん自身がやるかな?

 そうそう。糸賀先生はきっと、「全国ありがとう文庫」も「たもかく」も押さえてるんでしょう…先生の思考を跡づけるような資料的裏付け。これを読んでみたいとは思っています。

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