« June 2007 | Main | August 2007 »

July 2007

2007.07.19

英國戀物語エマ第二幕

 深夜のアニメが花盛りな様子。エヴァンゲリオン劇場版のときにテレビ版一挙再放送を深夜に何度かやったのが引き金だったが、そういやエヴァは今秋、新劇場版公開だっけ。
 HDDビデオレコーダー、一度予約をセットしてしまえば勝手に貯まっていって楽ちんである。
 といっても、番組再編期にちゃんと拾えば、の話。それに、深夜のアニメは時間移動が激しくて、結局丹念にチェックしていなければキャッチできない。
 『英國戀物語エマ』第一幕は全話キレイに録画できたが、それだけの熱意があったからだった。

 森薫『エマ』は、マンガの本編が終了して一年が過ぎた。現在は番外編が続いており(キャラクターを使って当時の文化や風俗に焦点を当てたオムニバス)、既に番外編の単行本が一冊出ている(8巻)。
 刊行にタイミングを合わせてアニメ『英國戀物語エマ第二幕』が4月に始まり、先頃最終回を迎えた。
 残念な出来映えだった。

 マンガ本編の展開にも首をひねる点は多かったが、画力は向上していったし、描写には魅せられ続けた。ヴィクトリア時代の文化を描きたいという熱が伝わってくるし、そこに描かれるキャラクターの表情は実に生き生きとしている。
 『エマ』のお陰で、当時の人々の生活感が実感できたのだ。
 たとえば、8巻「夢の水晶宮」。関連する本編のエピソードと併せて、当時の社会情勢、等身大の人間を感じる。ああ、これだけ経済力の格差、劣悪な生活環境なら、革命を起こしたくなる奴も出るだろう(時代は違うが、ディケンズ『二都物語』を昔読んだ)。社会改良も考えるわなあ。今の時代に受け継がれる制度も、こうした描写を見ると「いや当時は今と違うでしょ」「だからこそその精神は今こういうところが大事でさー」と想像できる。
 森薫氏は、時代背景は淡々と、その中の喜怒哀楽を楽しげに描いている。描写そのものにはミスもあるようだけど、時代劇としておもしろい。人間が感じられる。

 アニメは、「ラブストーリーを描く」として、ストーリー展開を変えた点を大して問題とは思わない。マンガと呼吸が違うこともわかる。梁邦彦氏の音楽、キャスティングは相変わらずいい。
 問題は、キャラクターの作画と、脚本だった。
 キャラは、目がなんでああいう形になったのか。いちいち興ざめしてしまう。第二幕から制作会社が変わったのが大きいのか。
 脚本は、…見ていてよさが伝わってこない芝居じゃあねえ。ストーリー展開の粗を埋めるくらいの、芝居の味がほしかった。
 見ていて「なんだよ、これ?」。録画再生も義務的で、再生回数の少ないこと。

 素材が、恋愛に向いていなかったのかもしれない。ヴィクトリア時代の使用人では、ロマンスには向かなかったか。
 『ロミオ×ジュリエット』(リンク先、音に注意)を一度だけ目にしたけれど、対照的だ。「これは恋愛ドラマ直球勝負してるよな」。
 何も考えずに画面を見ていたら、メイドとフットマンの服装じゃ華やかさがない。エマは、静かに落ち着いていて、てきぱきと仕事をこなす雰囲気にぐっとくるのだろうし(自分の頭に浮かんだのは『エマ ヴィクトリアンガイド』収録短編最後のコマ、袖をまくり上げるエマ)。英国紳士の服装でも、スマートさを超えた色気が出るだろうか。
 服装に凝りまくっているのもマンガの持ち味だが、第一幕と違って、第二幕は考証をがんばっている割には、それを描く楽しさが伝わってこなかった。となると、アニメの服装はただの設定に見えてしまう。ロマンスは、描く人々がそのディティールを装う人々の感情に共感して初めて、魅力に転じるのではないだろうか。
 そうして考えてみると、ヴィクトリア時代の等身大の慕情の代名詞、映画『日の名残り』を思い出した。あの有名なシーン。初めてDVDで観たときはえーそんなにいいか?と思ったものだが、映画館で観たら違ったんだろう。抑えた気持ちが、熱のように感じられる。これぞ抑圧の世紀。
 マンガ4巻、5巻のエマやウィリアムの表情は『日の名残り』のシーンに通ずる。そこをアニメはほとんどカットしてしまった―。
 『日の名残り』を目指すのは、アニメじゃ難しかったか。

参考リンク
クロノス・クラウン 本のお話 珠玉のメイドさんマンガ「エマ」
 久しぶりに読んだ。上は8巻の感想ページの「過去の感想」へのリンク部分。こちらのサイトの分析は『エマ』が話題になり始めた頃からいつも唸りながら見せていただいているのだけれど、6巻の感想から読んでいなかった(リンクがわかりにくくて辿り着けなかった)。
黒い天使のブログ「森薫・エマ・シャーリー」関連記事まとめ その2
 エマ関連のクリッピングでは、かねてよりこちらの記事が充実している。まとめがその2になった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.07.20

石ノ森作品としての『スカルマン』

 7/21深夜『スカルマン』最終回。オススメ。

 石森章太郎の「サイボーグ009」は、自分にとっては「新サイボーグ009」といわれる1979年カラー版であった。『ダグラム』『ボトムズ』の高橋良輔監督が携わっていたとは後に知った。オープニング「誰がために」エンディング「いつの日か」はいつになっても名曲である(アニメーションも秀逸)。「誰がために」の歌詞は、アニメと同時期に週刊少年サンデーで開始されたマンガ新シリーズ連載に、掲載されていたのを覚えている。
 近所のお兄ちゃんの家にあった、『火の鳥』をはじめとする手塚マンガ等々に、オトナの臭いを感じていた。その中に『サイボーグ009』のマンガもあった。ベトナム戦争が描かれていて「ボクにはわからないや」などと距離があったのだが、アニメ「新ゼロ」の登場で、やっと自分の時間に009がやってきたと思えるようになった。
 しかし、井上和彦の声を刻み込んだアニメとサンデー連載のマンガとはリンクしておらず、しかしいずれもネオ・ブラックゴーストが出てくるという点で、あー009は難しいや、という印象を残した。今から振り返れば、物語の本筋は地下帝国ヨミ編までで終わっていて(名シーンとともにブラックゴーストとの闘いにひとまず決着がつく)、以後は短編・点景となっていたわけである。絵柄はこの新009の少し前くらいが好きなのだが(これより後の『HOTEL』の頃になると、雑な線が増えてしまう)。
 そして石森章太郎は石ノ森章太郎となり、009は完結を見ないまま、逝ってしまった。

 『人造人間キカイダーTHE ANIMATION』のイラストを見てびっくりした。紺野直幸の絵は、石ノ森章太郎そっくりのタッチである。
 この「キカイダー」は結局レンタル等で借りていないので見ていないのだけれども、紺野直幸のキャラデザインで009をやると聞いたときは嬉しくなった。「平成版サイボーグ009」のストーリーは、誕生編から地下帝国ヨミ編までを主軸に据え、考えられる限りの決定版となった。
 その紺野直幸が手がけたのが、『009-1』である。けっこうよくできていて、満足度が高い。紺野のキャラデザインの魅力が存分に発揮されている。
 ただ、深夜の時間調整は、なかなか厳しかった。前や後が切れた回が多かった。

 この4-6月期に、『英國戀物語エマ第二幕』と平行して、ほとんど熱心ではなくHDDレコーダーにためていたのが、『スカルマン』
 原作は石ノ森が『仮面ライダー』の原型とした作品だそうで、島本和彦の連載はちらほら目にしていた(あれは石ノ森が続編を企画した時点で、島本を指名したのだそうだ)。
 今回のアニメ版が始まった頃は、「出淵裕が関わってんのか」(ラーゼフォンは凝りすぎていて入り込めなかった。食わず嫌い)。それでも、島本版にも通ずるシビアなドラマは受け継いでいるように見受けられた。純石ノ森作品の風情を楽しめるかは疑問としても、アニメとして深夜枠の丁寧な作りになっているとは思った。そのまま放置。
 それが、終盤に入って一気におもしろくなってきている。BG(ブラックゴースト?)のバン・ボグートとサイボーグ部隊が登場(平成009の声優が演じていたりする)。キャラの名前は石ノ森作品からの借用が多いとか。
 時間の移動が多く、かなりとびとびになってしまっていたのは残念だった。

 ああ。この品質がエマ第二幕にあったらなあ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.07.21

目次:斎藤貴男『絶望禁止!』

絶望禁止!
斎藤貴男
日本評論社, 2004.7

目次

序章
1 山家利子さん 市民活動は"危機を告げるカナリア"
2 弓削達さん 語り継がれる「平和の景色」
3 片山恵子さん 「変わっていく可能性」を子どもたちは常に持っている
4 俵義文さん 家永裁判の成果と運動を受け継いで
5 崔善愛さん 平和とは命の保障であり、戦争は命の破壊です
6 松下竜一さん 自分の生き方を通していくしかない
7 山内薫さん 誰が本を"生かす"のか
8 小田中聰樹さん 人間の未来のため、闘い続ける
9 三木睦子さん 有事にならないようにこしらえている憲法を
10 遠藤比呂通さん 釜ヶ崎に生きる原点
11 大庭里美さん 全世界の人々に希望の種子を
12 杉浦正士さん 笑いは見る者のインテリジェンスを問う
13 チャールズ・オーバービーさん 第九条を世界に!
14 神坂直樹さん 任官拒否訴訟と闘う
15 朴菖熙さん 国境を越えて、とこしえの虹を
16 大津恵子さん マイノリティーの意識から人身売買問題へ
17 三田一良さん アイヌ民族の尊厳を回復するために
18 福岡陽子さん 教育の自由と尊厳のために「君が代」伴奏を拒否します

初出 『法学セミナー』二〇〇二年十二月号から二〇〇四年六月号の連載「里程標milestones―自由と尊厳を求めて」全十八回(二〇〇三年十月号は休載)を掲載順に構成し、加筆した。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.07.22

Google検索に復帰していたので

 今日、Google検索のみ復活していることが判明。
 robots.txtを入れ直した。

 記念に書いておきます。意味不明ですね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.07.23

目次:ムアコック『火星の戦士 野獣の都』

火星の戦士 野獣の都
マイクル・ムアコック 矢野徹訳
ハヤカワ文庫SF, 1972.6

目次

序文
1 ムッシュウ・クラーシェにたいするぼくの負債
2 驚くべき事実
3 侵略者たち
4 攻撃
5 絶望的な計画
6 救出―そして破滅!
7 追跡
8 盗賊の町
9 生き埋め!
10 闇黒の洞窟へ
11 アルグズーンの女王
12 ナール獣の穴
13 思いもよらぬ味方
14 あまい喜びと苦い悲しみ
15 エピローグ
解説

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.07.24

目次:ムアコック『火星の戦士 蜘蛛の王』

火星の戦士 蜘蛛の王
マイクル・ムアコック 矢野徹訳
ハヤカワ文庫SF, 1972.10

目次

序文
1 荒野
2 オラ・リス
3 フール・ハジの義務
4 裏切り!
5 砂漠の塔
6 もと-人間-たち
7 蜘蛛の街
8 大ミシャッサ
9 死の宣告!
10 必死の計画
11 空飛ぶ怪物
12 新しい友人たち
13 ホルグールの策略
14 厭な決定
15 暗殺者の仮面
16 悪の女
17 鏡
18 ついに真実が!
エピローグ
解説

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.07.25

目次:ムアコック『火星の戦士 鳥人の森』

火星の戦士 鳥人の森
マイクル・ムアコック 矢野徹訳
ハヤカワ文庫SF, 1972.12

目次

序文
1 気球による探険
2 呪われた町
3 十一人衆
4 センド・アムリドからの飛行
5 野蛮人ども
6 黄金のローキン
7 バガラドへの航海
8 水晶の穴
9 ファースト・マスター
10 バーハの人々
11 機械がなくなっている!
12 ファースト・マスターの踊り
13 廃墟
14 緑死病
15 ヴァーナルへの脅威
16 脱出
17 センド・アムリドへ
18 未来への希望
エピローグ
解説

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2007.07.31

70,000 hit!

 60,000 hit!の記事が2006/3/12でした。
 キリ番記事ひさしぶり~なんだけど、なんだ1年ちょっと前じゃん。もっと経ったかと思ってた…。
 ただいま一日平均10ヒット。

 その間に、bk1のアフィリエイト、ブリーダープログラムがなくなった。前から繰り返し告知されていたので、どうしよっかなと考えていた。そのさまを記事にしようかと思っているうちに、あらららら。
 つらつらぐさに、@niftyBOOKSとiREGiの話が出ている。
 iREGiはオンラインソフトウェアの決済に便利だったんだけど、いまどうなってんのかなあ。

 今年ももう後半戦だが、いろいろ、あった。体調はずっと悪いし、周囲に事件も続いた。
 大きなところでは、新潟県中越沖地震。すぐに放射能汚染の懸念が頭を占めた。子どもの頃、刈羽原発建設当時から、事故が起きれば長岡まで及ぶと図示されていたからだ。関東の同僚のみなさん、実感湧かないのか…せまい日本、案外東京まで汚染は及ぶようなんだけどねえ。

 まあ頭の体操だ。断続的に投稿するつもりでいる。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

« June 2007 | Main | August 2007 »