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2006.09.17

西尾幹二先生、著作権法はご存知ですか (2)

 このような実定的なしくみを、西尾ブログの支援者たちは理解しているのだろうか?

 そして、著作権一般の存続期間を、著作権関係団体が、死後50年から70年に延長しようとしていることを、ご存知なのだろうか?
 自分の手近で言えば、例えばこちらの記事とか。
 著作権に詳しくない自分なぞは単純に、「近代デジタルライブラリーもこの先どうなるか…昭和前期なんていつになったら電子化されるのかねえ」と心配になる。

 船橋市西図書館事件最高裁判決は、図書館を構成する要素―著作者の利益が論拠となっていた。そのキーワードは「公けの場」。反射的に読者の利益が想定されている。
 裁判につきまとっていた当時から右も左もないと思っていたが、表現の「送り手」の権利と無数の表現の「受け手」の「公けの場」とは、「私」と「公共」の構図ではないのか。
 西尾先生とそのグループには、ぜひ「焚書の憂き目に遭った」資料群を、「公けの場」に出してほしい。
 殊に、西尾先生は、「著作者としての立場」から図書館を語ったのだ。彼の「公共」観が本物かどうか、正に問われることだろう。

 実際に着手されていること、そのことだけでも素晴らしい。図書館員の端くれとして思う。
 図書館は今、様々な意味で苦況に陥っている。図書館は図書館で闘っている。
 「共同の記憶」に携わる―その意味では同じ志のはずである。単なる「感傷」だけで終わらない、実現のための戦略を期待したい。

 最後に、先人の業績を現行の著作権法の枠組みの中で着実に形にしてきた青空文庫と、野口英司編著『インターネット図書館 青空文庫』はる書房, 2005.11.を紹介して、稿を閉じることとしよう。

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