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July 2006

2006.07.04

マイケル・ムアコック〈永遠の戦士〉新版刊行中

※2006.9.3.公開。

 マイケル・ムアコックの〈エターナル・チャンピオン〉シリーズが新装・新訳で再刊が始まっている。喜ばしい。
 ハヤカワ文庫と創元推理文庫でシリーズが分かれてしまっているのだが、イラストレーターも統一、歩調を合わせてくれているようだ。

 高校に通うようになってから、公立図書館を利用するようになった。
 その頃ハマって影響を受けたSFがいくつか。ひとつがアシモフの「ファウンデーション」「ロボットもの」のシリーズであり、もうひとつがムアコックの「エターナル・チャンピオン」である。

 アシモフが亡くなったときはショックだった。銀河帝国の歴史にひと区切りがついたとは言え、まだ未完だったから。それが、現役の三人の作家によって新三部作が書かれ、ロボットものは映画化もされた。
 学生時代はハードカバーを買うのも大変だったのに、どんどん文庫化されてしまって…。今ではいつでも買えると安心しきっている。

 〈永遠の戦士〉シリーズは、全部で二十数冊になる(ハヤカワ文庫と創元推理文庫)。高校卒業後住んだ自治体の図書館に、リクエストしては買ってもらっていた。その図書館、まだ文庫本を入れていなかったので、新規開拓の分野と捉えてくれ、入れてくれた。
 就職してからも、引越のことを考えると、大事な本しか買えない。そのとき買い逃すと入手できないような…つまりは、ホームズ本だけで手一杯だった。図書館でいつでも借りられると安心しきっていた。
 本をバカスカ買うようになったのは最近である。住むところもそこそこ落ち着いたからだ。ふと見回すと、ところが…〈永遠の戦士〉シリーズが売っていない!まさか版元品切れになるとは。本当に信じられなかった。
 幸い、ネットオークションで入手した。いい時代になったものだ。

 ムアコックにはまった一因は、表紙を飾る天野嘉孝のイラストも大きい。天野氏自身もあの時期のイラスト群によってイラストレーターとしての地位を確立したようなものだ。
 〈永遠の戦士〉の魅力はまずエルリック・サーガ旧1~6巻にあるが、剣と魔法の世界―ヒロイックファンタジーなのに、ヒーローが悩む悩む。魔道帝国の末裔エルリックはひよわなアルビノ。生命を吸う魔剣の力なくしてエルリックは生きていけない。魔剣は仲間の、愛人の生命すら吸うのである。
 その頽廃的な雰囲気を天野嘉孝が描いていた。天野嘉孝といえばイラストレーターとして名が売れる前は、タイムボカンよ、タイムボカン。僕はそれはそれで好きなんだけど。印象的なところでは「戦国魔神ゴーショーグン」のスピンオフ小説シリーズなんてマイナーもいいところだが、そのイラスト担当が天野氏だった。
 ハヤカワ文庫で刊行されたほかのサーガ(コルム前期・後期、エレコーゼ)はみな天野氏が担当している。しかし、〈永遠の戦士〉シリーズは創元推理文庫が先行して出していて、ホークムーン前期4部作「ルーンの杖秘録」は別のイラストレーターの手になっていた。しばらく後に刊行されたホークムーン後期3部作「ブラス城年代記」は天野の筆。
 その後合わせてホークムーン前期4部作も天野の表紙のものが刊行されたのだけれど、これがあまり数が出ないまま品切れになったらしく、そうそう見つからない。ずっと狙っているのだが…。

 実は、〈永遠の戦士〉シリーズ自体は完全には完結をみていない。ひとつのサーガにも新たなエピソードが加えられるし、それによってサーガ全体の意味合いも変化していく。
 天野イラスト時代に日本で翻訳の元にした底本と、今回の翻訳の底本は異なっている。今回のものは〈永遠の戦士〉シリーズとして、配列も大きく編み直されている。
 こうなると旧版も捨てられない。新しいイラスト、装丁もきれいでほしいんだけど…ああああ。

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