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2006.02.01

船橋市西図書館蔵書廃棄事件・差戻審判決の全文

 H17.11.24 東京高等裁判所 平成17年(ネ)第3598号 損害賠償請求

 やっと存在に気がつきました、Yahoo!のキャッシュの日付は2006年1月6日。

 「事実及び理由 第3 当裁判所の判断」の1は、粛々と最高裁判決に従った判断ですね。図書館についての考え方が述べられている。最高裁に続いて差戻審でも改めて繰り返されると、公立図書館は法的位置づけを判決で勝ち得たのだなあという実感が湧いてきました(もしかして該当部分、最高裁判決よりも長くなってない?)。
 で、経緯勘案の上での賠償額の算定の部分ですが、2で述べられています。これがまた、最高裁の先例を7件も!ひいています。私は引用された個々の判決を見に行ってはいませんが、「これだけ最高裁の判断に則っているんだから、文句なかろう」ってことかな?東京高裁。

 みなさん、論評楽しみにしています。既にお読みになっていて評価を書いておいでの方がおられましたら、ぜひお知らせください。
 とりあえず、ご報告まで。

【追記】
 第一審の判決を見つけました。控訴審はどっかにないかしらん。

 東京地方裁判所平成15年09月09日判決

【訂正】
 さっそく、記事のとんでもないミスにご指摘をいただきました。
 メールいただいた方の許可を得て、掲載いたします。
 ありがとうございました。

-----(メール引用始め)-----

> 最高裁の先例を7件も!ひいています。

 私が見たところ、2件でした。最初の判決は事件番号が4つついた判決で、あとの判決は事件番号が1つです。事件番号5つ+判決年月日2つ=7件という計算でしょうか?

 前者の判決は、在外邦人の投票権に関する判決です。関係するであろう部分は次のとおり。
「そこで,上告人らの被った精神的損害の程度について検討すると,本件訴訟において在外国民の選挙権の行使を制限することが違憲であると判断され,それによって,本件選挙において投票をすることができなかったことによって上告人らが被った精神的損害は相当程度回復されるものと考えられることなどの事情を総合勘案すると,損害賠償として各人に対し慰謝料5000円の支払を命ずるのが相当である。」
 違法・違憲の判断によって、損害が回復されているんだから、賠償金額は名目的なものでかまわない、という「名目的損害賠償」の考え方を示したものです。

 再上告(というのでしょうか?)審の争点は、人格的利益の侵害が違法判断によって相当程度回復されているかどうか、ということになるのかもしれません。

 後者の判決は、法人の名誉毀損に関する金銭賠償についてのもの。たぶん、下記のあたり。
「以上を要約すれば、法人の名誉権侵害の場合は金銭評価の可能な無形の損害の発生すること必ずしも絶無ではなく、そのような損害は加害者をして金銭でもつて賠償させるのを社会観念上至当とすべきであり、この場合は民法七二三条に被害者救済の格段な方法が規定されているとの故をもつて、金銭賠償を否定することはできないということに帰結する。」

-----(メール引用終わり)-----

【再掲】
 差戻審と損害額の算定について書かれた記事を再掲しておきます。

言いたい放題:船橋西図書館焚書事件差戻審
Because It's There:蔵書破棄訴訟差戻し控訴審判決〜補足

 後者の記事には、下記引用のとおり他の記事の紹介もありますのでご参考に(私はまだ読んでません…)。


なお、在外選挙権訴訟については、このブログでは過去に6回ほど取り上げていますし、在外選挙権訴訟における「名目的損害賠償」については、「『靖国参拝・靖国参拝違憲判決』に対する憲法学者のコメント」というエントリーでも触れています。ご参照下さい(在外選挙権制限訴訟について、「妥当な理解」ができると思います)。


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Comments

TBありがとうございます。

>私はまだ読んでません…
読むと長いですよ(汗)。ですから読まなくても、全然構わないと思います。ここの記事で引用しているメールの内容で必要充分です。メールの内容は的確な捉え方をしていますから。

この東京高裁についてはだいぶ書いてますから、今のところ論評することはないですね~。判例解説が出たら触れるかもしれませんけど。

Posted by: 春霞 | 2006.02.03 at 01:38

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