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2005.11.29

船橋市西図書館蔵書廃棄事件・差戻審判決の覚書(2)

○差戻審判決の評釈(追加)
言いたい放題:船橋西図書館焚書事件差戻審
 こちらでは以前、最高裁判決の「人格的利益」を肯定的に丹念に捉えておられました。
 損害賠償額についての考察はやっぱり判決全文が出てこないとやりにくそう…。

○最高裁判決についての法律家のコメント(追加)
benli:図書館において著書を蔵書とする方が著作者の利益を害するのか、蔵書としない方が害するのか?
 小倉弁護士のブログ。著作権法の立場から、図書館に対して「公貸権」を主張する「著作者」とのバランスを突く。
 ウェブログ図書館館長さんかCopy & Copyright Diaryのブックマークだったかで知りました。
blog of Dr. Makoto Ibusuki:法情報学の観点から、図書廃棄事件判決を読む
 指宿ブログにて、短いコメント。最高裁に対してなかなかトンチが効いてるというか。
 直前のエントリが図書館員には泣かせる。

○『ず・ぼん11』特集「船橋西図書館の蔵書廃棄事件を考える」
 三本の記事から成る。
 編集委員座談会「図書館にとっての問題は何だったのか」、
 東條文規「不可解な事件」、
 沢辺均「どこかに[右翼と左翼]という図式でモノを考えてたところがあったんだと思う」。

 編集意図:「…『ず・ぼん』では、これまで一度もこの事件を取り上げずに来た。『ず・ぼん』は、富山県立近代美術館・図書館事件をきっかけに創刊した本だ。…なぜ自分たちは、これまでこの事件を取り上げなかったのか、…」(座談会の記事冒頭から引用)。
 以下、筆者が読んでのメモ。

・意外に資料が、あちこちからまとめてあって便利。
・「富山県立近代美術館・図書館事件」との対比において考察している。判例としても、案外、この対照で考えるというのはなかったかも(但し、次のエントリも参照)。
・問題となった司書がなぜあのような行動に出たのか?そこが事実として明らかになっていない、釈然としないことにこだわっている。確かに裁判における事実認定でも、どうなってるんだろうかと思わせる。結果じゃなくて、認定の過程とか元の資料。
・経験ある図書館員の感覚的なレベルでの「選書」観からのコメント。ざっくばらんに。
・2005.5.27.の段階での、座談会…。当ブログでの関連記事の最初は5.23付、Library & Copyrightの4.18付記事を承けて。確かに遅いか。
・あとの2本の記事は、最高裁判決が出てから。沢辺さんの反省に尽きる。以下、記事末尾を引用。今回の特集は『ず・ぼん』としての苦いケジメだったんだろう。


 最後に、この問題についての『ず・ぼん』編集部の反応について僕の考えを述べます。
 船橋西図書館問題への『ず・ぼん』の対処はダメでした。この問題を知ってもすぐに取り上げなかったからです。ダメだったのは、この一点だったと思ってます。
 『ず・ぼん』一号では富山県立図書館の、「天皇図録」の破棄問題を特集にしました。この問題は、言論弾圧する右翼と、それに抵抗する左翼という図式でしたが、『ず・ぼん』は、右翼も左翼もなく言論弾圧はイカンという掲載の仕方をしました。
 今回、船橋西図書館の除籍問題では、富山のときとまったく反対の図式になったわけです。それをすぐに『ず・ぼん』で取り上げなかった。このことは、「右翼も左翼もなく」が、僕を含めたず・ぼん編集委員の本物の考えになっていなかったことを改めてばればれにされたのだと思います。それが今回の最大の反省です。
 『ず・ぼん』はダメだった。
 これが『ず・ぼん』にとっての船橋問題の主体的な問題のキモだったと思っています。


 この発言が出てきた文脈も、ぜひお読みいただければ。

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Comments

損害額について新しい記事を書いて(12月3日付けの追記もしました)TBさせて頂きました。これで批判にも耐えられる記事になったと密かに思っています。

「ず・ぼん11」読みました。「右寄りの本が多い図書館だったので、バランスをとるため除籍したのでは?」とか、「図書館は足し算の世界なのに、この人は引き算をしてしまった」というコメントが、なるほどと思いました。図書館員だから分かる視点だと感じましたので。

今回の事件で「ず・ぼん」を知ることができたので個人的には良かったです。何冊か購入しました(図書館で借りた方がよかったのかな!?)。
ただ、roeさんや沢辺さんと同じように、なぜすぐに「ず・ぼん」で記事にしなかったのか疑問に思いました。図書館にとって重大問題なのに。それと、船橋判決自体は、法解釈の問題なのですから、憲法などの法律の専門家の解説が欲しかったです。
今からでも遅くはないので、「ず・ぼん」において更に「船橋判決」の記事を掲載して欲しいと思いますが……。

Posted by: 春霞 | 2005.12.03 at 14:45

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Tracked on 2005.12.01 at 05:43

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