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2005.09.24

「南京図書大略奪」の件(1)

※9/6から書き始めて、やっとアップすることになりました。歴史は苦手ですー。

 訂正記事、になるのかな?過去書いた記事の記述が誤っていたならば、間違いは正さなければならない。最低限、「このような指摘がある」との事実を認識していることを、明らかにしておくに越したことはあるまい。
 ただし本ブログでは、戦時中の図書の「略奪」に焦点は当てておらず、占領下日本及び中国における「焚書」に注目していたことを述べてはおきたい。例の裁判の、西尾口頭弁論及び『正論』9月号西尾論文の「焚書の指摘」が当ブログの関心事だから。

 要は、南京大虐殺よろしく、南京で図書の大掠奪が行われた、ということの真偽が争われていたようだ。
 金丸裕一「南京図書大略奪のまぼろし」『諸君!』2005.8月号,162-175.である。本号目次を見ると「特集・あっと驚く「歴史歪曲」を見よ!」と題された特集の巻頭論文扱いで、編集部が付けたと思しき副題は「図書八十八万冊を日本が略奪だって!?新たな「南京神話」捏造トリックを見破ったり!」とある。
 確かに当ブログでも、「80万冊」が中国から奪われた、と松本剛『略奪した文化』より引用している(8.6.付記事)。

 先に採り上げた占領下の「焚書」についての当ブログ連載記事は、船橋市西図書館蔵書廃棄事件判決に関して、口頭弁論の論拠で引き合いに出された「GHQ指定没収図書総目録」の図書館史的な位置づけを確認するために、比較的堅実な研究と見られる松本剛『略奪した文化』から抜き書きしてみたり、既存の図書館OPACで自分で実際に検証してみたものだった。
 既に以前の記事で述べたように、戦争中の文化破壊は、松本がまとめているように「略奪によるもの、爆撃・戦闘によるもの、焚書によるもの」という類型に分けられる(8.9.付記事)。松本も一冊の本の中で、この類型を意識して章立てしていた。話としてきちんと分けており、自分が注目した部分も「焚書」に関する章であったのだから、本筋では「焚書」と「略奪」の違いに神経質になることもないのだろうが、戦時下の図書の略奪について「事実を意図的に改変しているのではないか」という指摘には問題意識を共有するところでもあるから、意を払っておこうと思う。
 以前の記事の区切りがついたところで、「読書日記」のobaさんと「書物蔵」の書物奉行さんにコメントをいただいた(8.24.付記事)。お二人はブログ上で植民地図書館研究文献の紹介(及び発掘)もされている。一次資料が損失していて研究の進捗が困難なこと、近年の「政治論争」に扱われかねないという貴重な指摘であった。

 ここから書く、金丸氏の「戦時下略奪の欺瞞批判」の読解は、「書物蔵」の方で先行されてしまっていて、既に決着が付いている話である。書物奉行さんの簡潔な記事にリンクしておく。
2005/7/2 あれま、山崎元氏がたたかれてる
2005/8/27 ビッグボックス(高田馬場)へ行ったら
梶ピエールのカリフォルニア日記:今月の『諸君』
 リンク先の記事をお読みになれば書物奉行さんの危惧と確認後の位置づけがわかって、「なあんだ「図書館員の愛弟子」では追っかけ記事を書いているだけじゃないか」と言われそうだ。ごめんなさい。
 書物蔵は図書館関連古書探索の貴重なブログで、戦前・戦後直後辺りの自分は全然知らないことばかりが出てくるので、大変勉強になります(ペコ)。

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