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2005.08.18

「GHQ没収指定図書総目録」復刻運動の末路(2)

※8/17に書いています。

 結論から言おう。
 「GHQ没収指定図書総目録」収録図書は、国会図書館やほかの大学図書館で所蔵しているものと思われる。
 かの目録に接する機会が最近またあって、念のため、そのリストの内ごく限られた三点ほどをNDL-OPACとWebcatで検索してみた。短時間だったので旧仮名遣いなどうまく入力できなかったものがあったようだが、ほとんどがヒットした。自宅にて改めて、『正論』9月号掲載の書名15件をも照合しながら検索してみる。すべてがヒット。
 かの目録収録の図書群は、この世からまったく喪われてはいないのである。

 苦笑いしないではいられなかったのは、Webcat-Plusで所蔵館が61件とか、38件とか表示されたことである。
 よかったではありませんか(冷笑)。
 一般の公共図書館に昭和前期の資料が大量に収蔵されていることは書庫狭隘のため通例ありえませんが、このような歴史的な資料が調査研究図書館といえるところできちんと所蔵しているということは、他の資料とまったく同様の状態です。
 この話、口頭弁論の経緯から知り合いの図書館員に説明しましたら、誰もが呆れていましたよ。

 ダメ押しではっきり言おう。西尾幹二氏の口頭弁論の第三点は、虚偽である。論理が破綻している。
 学問をかじった者として、レベルの低い自分よりも西尾氏を劣位に見ないわけにいかない。
 学問の方法論一般から言っても文献探索を行うのはイロハのイだし、歴史学を学ぶ者であればなおのこと、史料が論理構築の肝ではないか。図書館を使うことさえ充分にやっていない。学問のリテラシーを大学に入り直して大学一年生からもう一度やり直した方がよろしい。
 それらの手続をないがしろにして、論拠をきちんとあらためずに論文を書いたりする、それどころか口頭弁論でまで虚偽を訴えているのは、本当に二流の評論家風情である。歴史学者どころではない、学者といえるのか?それとも、周辺のスタッフの質が低いのだろうか?
 最低限、『正論』には訂正文を掲載するべきだろう。誤解を受けかねない情報を流した読者への過失責任はある。

 敵に塩を送るようなマネをするようだが、やはりフェアプレイの精神はこちらももちたい。ひとつご注意しておく。ご存知であればお節介、ご容赦を。
 電子図書館化を考える際は、著作権処理が大変になる。図書館界では常識で、明治期ですら文化庁には苦しめられてきた。殊に昭和前期の図書の電子化については、著作権処理は相当に困難なはずである。それを考慮に入れての電子化構想なのか、それともそれこそただの二流評論家の夢想を適当に文章にしただけなのか。

 図書館のしくみや表現の自由、歴史の問題が、今回の問題には絡んでいる。どれだけそれらへの理解をおもちの上での発言、行動なのか。
 今後の対応を楽しみに待ちたい。

 以上、上告人の口頭弁論及び「GHQ没収指定図書総目録」関係記事はこれで終わりとします。
 ああ長かった。はよ判決へのイライラを爆発させたい〜。

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