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2005.08.23

「GHQ没収指定図書総目録」の後日譚(2)―『正論』2005年9月号西尾幹二論文のウソ

 えー、副題をあえて付けたのは意味はありますが、深い意味はありません。
 標題を、検索エンジン等でひっかかりやすく、目立ちやすくしたかったからです。
 副題に対応する内容自体は、既に8/16付記事及び8/18付記事に書いてありますので、初見の方はご参照ください(できればその前後も)。

 しかし、本記事がダミーかというとそうではありません。「後日譚」、8/16及び8/18の補足記事です。いわばダメ押し。
 西尾幹二のインターネット日録:最高裁口頭弁論(四)に、「GHQ没収指定図書総目録」から例示的に15点、書誌事項が挙げられています。これを、すべて検索してみました。例によって、NDL-OPACとWebcatPlusにて。
 一件NDLでヒットせず、数件がWebcatでヒットしませんでしたが、いずれかで必ず、すべての所蔵が確認できました
 再度確認されたこの事実から、やはり口頭弁論及び『正論』掲載論文で述べられた、「「GHQ没収指定図書総目録」によって図書館で焚書が行われた」という言明、もしくは「「GHQ没収指定図書総目録」の例から図書館での焚書を危険視する」という論理にはウソがある、と言うことができます。
 GHQ総目録によって占領下の日本のあちこちで焚書が行われたことはもちろん事実であり、図書館において"も"焚書は行われたにしても(おそらく中心は学校図書館、それから公立図書館)、図書館によりけり。しかし、「当時ほとんどすべての図書館で無批判に焚書が行われた」「そしてそれゆえに現在も一定の勢力によって焚書が行われうる」というような、「図書館に誤解を生む論調」には強い反発、批判を繰り返し唱えたいと思います。
 図書館を知る者としては、部分的には同意もできるのですが、論証や論理の組み立てがまるでなってない。よく図書館という制度、その社会的な位置を知った上での主張なら納得もするけれど、表現者の側からだけの主張では、バランスが悪くなって当然です。ほとんど図書館員陰謀説じゃないですか。

 検索の手順を書いておきます。
 まずは、書名で検索するのですが、ヒットしないことがあります。理由は二つほどあります。一覧に挙げられた書名が細かいところで不一致な場合がけっこうありました。それから、書誌階層において書名として採用されておらず、詳細表示で見て初めて各巻書名で見つけることができる場合があります。
 しかたがないので、次に、著者名で検索。これで刊行年順に並べると、だいたいアタリが付けられます。
 必要があれば、所蔵館を確認、記録しておくべきでしょう。利用態勢が異なっているはずだからです。

 2chで船橋市の問題司書の著作を全国主要図書館のOPACで検索調査している動きがありますが、同様、西尾幹二先生の電子化プロジェクトに協力してさしあげてもよろしいのではないでしょうか。かの「総目録」収録の資料は7,700件もあると言われているのですから、はっきり言って大変です。ネット上の多くのボランティアによれば、間違いなく大きな力になるでしょう。
 まあ、以上はへたな皮肉です。8/11付記事で書いているように、自分は問題司書を支持する者ではないことも、ご承知おきを。しかしこの記事は、建設的な提案だと思いますけどね、西尾幹二先生の仲間の中でこうした具体的なプランを提示できる方はいらっしゃらないのですか???
 そもそも、「「GHQ没収指定図書総目録」記載図書が図書館から消えている!」という主張自体、どこから来ているのかわからない、論拠を示さない非学術的なやり方ですし、目録自体が入手できていて、全国書誌や総合目録がWebで簡単に検索できる時代になっているのに、確認もしない。非常に不思議です。
 西尾氏や賛同するサイトでずいぶん口汚い表現を見てきました。それと同様に西尾幹二「先生」に対して、2ch的に、いろいろとまあ、愚弄することばが頭に浮かんできます。自分は、これまでの記事で何度か口にしましたが「レベル低いですね」くらいにしておきましょうか(笑)。口汚く罵りあっても生産的ではありませんし、自分がこのような記事を書いているのはまさに共同的な、前向きな解に向かうための素材を提供したいからです。

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Comments

 船橋の図書館員(司書?)を支持するものではないとのことですが、本当ですか?
 論調からは、そう感じられませんが!

Posted by: 富士宮一郎 | 2005.12.01 at 20:53

 富士宮さま、こんばんは。
 富士宮さまがそう「感じられない」というのであればそれはしかたがありません。そのような主観的宣明のみ残されて行かれても「はあそうですか…」と途方にくれるばかりです。
 お話しする前提としては、私の記事をお読みになった上で、どこが問題司書を支持していると読めたのか、具体的に書いてください。お互いの時間がもったいないです。コメントを残されるにしても意見を交換しようという誠意が感じられず、お返しするのもためらったくらいです。

 少なくとも、「本8.23付記事の主旨」は西尾論文に紛れもない虚偽があることを批判する内容で、「かの司書に対する話題はしていません」。本記事内に、端的にリンクを貼り、リンク先の記事で「右や左を問題にしているのではない」ということはお示ししていますが、ご覧になられたのでしょうか?
 また、本記事の文脈を理解する上では、最低限、この前日の8.22付記事は読んでください(西尾氏の口頭弁論の論理構成に難ありとする文脈は、延々と続けてきましたからその延長線上です、お時間があればそこまで一読くださると幸いですが)。
 さらに、以下のリンク先から8.15付記事をご覧いただければ私がなぜ西尾氏の口頭弁論にこだわってきたのかはおわかりになると思います。
http://lomax.cocolog-nifty.com/apprentice/2005/08/_20050819_6f65.html

 非常に疑問を感じながらこの対応コメントを書いております。

Posted by: roe | 2005.12.01 at 21:56

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