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2005.08.02

GHQ没収指定図書総目録関連文献紹介(1)―『図書館ハンドブック 第6版』

 『図書館ハンドブック 第6版』日本図書館協会,2005.

 「図書館ハンドブック」と言えば、いくつかある図書館事典の中でも「読む事典」としての性格もあり、図書館受験の必携本である。普及度も高く、JLAの刊行物の中でも信頼性があると見ていいと思う。
 「I.総論 B.図書館と社会 2.知的自由と図書館」が興味深い。文責が(川崎良孝・山口源治郎)となっていて、米日の知的自由問題の論客としてはもっとも適切だろう。「b.知的自由と図書館:日本の場合 (2)戦後社会と図書館の自由」にこうある。

 戦後,日本国憲法が,…(中略)…,知的自由の保障を規定したことは,図書館における知的自由擁護の議論と実践に法的正当性を与えるものであった。しかし占領期には,連合国軍総司令部(GHQ)の「宣伝用刊行物」の没収指令によって,図書館からも出版物が没収されたにもかかわらず,図書館側からの批判はほとんどなく,むしろ自己検閲を行う例が多かった。
 知的自由擁護の問題が,図書館界で本格的に議論されるのは1950年代に入ってからである。…

 ただし、前後の文脈を見忘れてはならない。直前の項、「(1)戦前期における知的自由と図書館」では、次のようにもある。

 戦前期の場合、そもそも「知的自由」や「図書館の自由」を議論する余地はほとんどなかった。国家は人間の精神や内面に干渉しないとする近代国家の原則自体が,未確立だったからである。…
 …戦前期とくに戦時下の図書館の場合,警察当局による発禁図書,左翼関係図書等の没収が日常化し,それに対する図書館員の抵抗は,きわめて微弱であった。

 ちなみに、6/4に紹介すると言っていた文献は、(2)に挙げる資料である。

【追記2005.8.7】
 当ハンドブック今回の改訂は、15年ぶり。かなり大幅な改訂となっており、最新の動向が反映されていると考えてよいと思う。執筆者一覧にもそれは表れている。特に、年表編の担当者が、実力ある若手に引き継がれている点に注目。
 ちなみに「GHQ没収指定図書総目録」の記述は第5版にはない。

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