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2005.07.15

船橋市西図書館蔵書廃棄事件・最高裁判決傍聴記

 昨日10:30に開廷し5分ほどで閉廷した上記判決の傍聴に、私も行ってまいりましたので報告をば。既にLibrary & Copyrightにて傍聴の記録が出ていますので、補足がてら、だらだらと。
 ほか、以下私の巡回先にてもコメントが出ています。本家西尾幹二氏のところには、まだ昨日13:30より記者会見を行う旨の「緊急のお知らせ」が出ているばかりですね。どんな記者会見だったのかなあ。

 愚智提衡而立治之至也:独断廃棄は著者の利益侵害
 Copy & Copyright Diary:[図書館]蔵書廃棄

 とりわけ後者のコメント、著者に法的利益を認定するというところに違和感を感じておられる点にはまったく同感です。西尾氏の戦術に横尾裁判長らはうまくはめられたというところでしょうか。
 あとは前者のコメントでも論じられているように、この判決が判例として一般化される範囲がどの辺までか、ということになりますね。

 では、だらだらと。
 小雨まじりの中、開廷15分前、10:15少し前に行きましたところ、傍聴バッジは10番。弁論のときより少ない…。やっぱりかと思いました。トクトクと説諭風に判決(とりわけ「理由」の部分)を口頭で読み上げるのは普通ではない例なので(オウム裁判とか)、弁論のときよりも実際に聴きに行くメリットは少なく、どうしたもんかなあと自分でも思っていたのです。
 今回最終的に足を運んだのは、次のような理由からです。

・弁論の続きで裁判手続に興味があった。
・図書館が日本の司法の場で定義される歴史的瞬間に立ち会いたかった。
・裁判記録がもらえないか(電話で問い合わせてもよかったが)。

 結論的には、Library & Copyrightで紹介されているように、二つの文から成る主文が宣明されただけです。

 最高裁裏手の南門に5人ほどが固まっていたのは、司法修習生だったことがロッカー近くで所持品検査をしているときにわかりました。
 彼らをやり過ごして構内へ。たまたま一緒に入構される方に「10番って…関心ないんでしょうかね。右でも左でも、興味もっていいと思うんですけどね」と話しかけました。「それよりも裁判所の前近代的なやり方は昔から変わらないね」と気さくに答えてくださったこの方は、あとで「傍聴人経路」と書かれた札を見て「おーい、私は上告人、当事者なんだけどな」とブツブツ仰ってました。
 第一小法廷に向かう一団がまとまると、職員の方に連れられて移動。途中、ほかの方がお手洗いに寄っている間に裁判記録そのものは入手できないことを確認。関係する内容はのちほどまとめます。

 法廷前の廊下には、報道関係者がけっこういました。
 入廷してみると、入り口のそばに4台ものカメラが正面を向いています。判決前に「撮影を終了してください」との指示があり、法廷から片付けられました。
 判決直前に数えてみると、

 上告人席   6名。
 被上告人席  4名。
 報道関係者席13名。
 傍聴人席  18名。

 傍聴人席には、司法修習生と、かの上告人等関係者も含んでいました。おっ、図書館学界では知った顔が。少し嬉しくなりました。

 廷吏の方が開廷を告げ、裁判官が入廷、全員起立して礼。事件番号と事件名が読み上げられ、判決。閉廷が告げられると起立して礼、以上終わり。

 どやどやと退出する途上、職員の方に再度いろいろ確認。主文よりも「理由」が大事、だからです。
 以下にまとめます。ご参考にどうぞ。

・裁判記録そのものは、これから当事者・報道関係者に配布される。
・裁判記録は裁判所の担当係に問い合わせれば閲覧は可能複写は不可。もちろんこの時点すぐにはまだ無理(当事者がもらう段階でしかないんだから…)。
・夕方にはホームページで見ることができる予定。今回のような、弁論を開いた裁判は「乙」部というが、ホームページで公開されることが多い(弁論を開く=原審破棄が多い=理由の提示、だからか?)。ということで、リンクはこちら

 さっそく昨日のうちに、法律にも詳しい知人をつかまえて、いろいろ検討しました。そのネタ、頭にまだ残っていて記事に仕立てられたら近日中に出しますね。但し、話をした時点では彼もネット上の新聞社ニュースを読んだだけなのでご了承を。
 ただ、残念ながら、自分の見たところ、ネットに出ている「理由」じゃ、かなり論理の飛躍がありますね。これはもしかすると内容は別として、トンデモ論理構成の判決なんじゃないのか???まあ、最高裁の判断で西尾センセたちが勝訴したことは間違いないので、ああだこうだ言っても詮なきところもありますが。でも、これって口頭弁論がどう反映されているのかよくわからん…。

 新聞各社のネットニュースのうち、比較的わかりやすかったのがMainichi-INTERACTIVE
 高裁差戻にしたということは、賠償額の算定を高裁で行うためなのだ、とちゃんと解説あり。金銭換算できる実体的な損害、法的利益を認めたということがはっきり書いてあって、普通の人にもわかる。よいと思いました。
 これまでだって西尾氏は自分の弁護人に「実質勝訴でしょう」と言われて頭にキテ、最高裁にも読んでもらえるように本を書いたくらいなんだから。

 とりあえず、判決当夜の傍聴記を以上で終わります。

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