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2005.04.03

図書館と「法と経済学」(3) : 「法と経済学」の批判的理解(続)

 うって変わって、日常よくある光景。
 駅前の自転車の違法駐輪。これ、なくならないんですよね。法令で取り締まれるものなんでしょうか?そもそも、そこに(道徳的含め)善悪の問題があるんでしょうか?
 理解の枠組みとして考えるべきは、規範的な問題なのか、経済学の問題なのか。
 そこで駐輪している人の行動を、(かなり単純化して)「法と経済学」的に解釈してみましょう。ある「違法」駐輪している方のご意見を想定してみます。

 「違法」駐輪だということは知っています。駐輪場が足りてなかったようだけれど、だんだん増えてもきたようですね。まだまだ、半年以上も空き待ちしないといけないみたいだけど。
 だけど、ここに(違法で)駐輪するの、やめませんよ。そりゃ、歩行者に決定的に危険だとかいうことならわかるけど、この奥まった路地ならそう迷惑もかけないだろうし。
 第一、月々の駐輪料金より、撤去されて引き取りに行く料金が、安いんだもの。取り締まりの頻度が高かったら違うけどね。

 この人物に対する説得は、どうしたらいいんでしょうか?そもそもの問題は都市計画上の失敗なんでしょうが。
 「法と経済学」なら、こう言うかもしれません。

 もちろん、駐輪場の増設が先決。
 平行して、取り締まりの頻度増と引き取り手数料の値上げ。
 そこで投入する行政資源が、行政効率上の効用を最大化すると考えられなければ、最適化したと思われるところで納得するしかない。

 でも、経済学の問題ならこの回答で納得もできますが、それで本当に納得できますか。規範道徳の問題としてはどうなんでしょうか。
 どこか、疑問が残りませんか?

 以上三点、例を引いてみました。
 こんな感じで「法と経済学」の本質的な考え方―要するに厚生経済学の考え方―そのものにはものすごい反発を感じています。これが自分の、「法と経済学」に対する基本姿勢です。一方で、経済制度の制度設計の観点からはまあ納得できないわけでもない、と考えています。その先に、基本姿勢からの逆転があるんですけどね。

 次回から、「経済制度」としての著作者財産権の問題を採り上げます。
 その上で、また厚生経済学と図書館の問題に戻ってくることにしましょう。

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