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2005.02.17

図書館学と情報学、法情報学(3) : ネットワーク社会と法情報学

 ところで自分は、法情報学に単に批判的なわけではない。

 法学徒としては、ネットワーク社会という、新しい社会状況が現実に展開していくさまを目の前にして、規範の世界で予想される新たな反応に期待し、わくわくしていた。法学がローマ法以来の人間社会に通底する規範の合理性、生きた知的遺産をまず踏まえなければならないということを知ってはいても、そんな「生きた知的遺産」が新しい社会状況にどう対応していくか、歴史的に目にできるなんてそうないことだからだ。
 だからこそ、ネットワーク社会の発達に沿って、学界が表立っては即「アタリマエに」受容・対応ができていっていないように見えたことに、歯がゆく感じるようにもなった。
 おそらく、「法情報学」はそのような問題意識から出発した学問だろう。現実の学界の動きに対する、現実的な対応として。

 しかし、方法論的には、やはり疑問が残る。

 前々回の記事の二つのうちの後者、「電子情報ネットワーク環境における新たな法状況を考える」これはまだいい。個別具体的な研究領域だからだ。著作権法のように、新しい法状況に具体的に即応しなければならない分野がある。
 ただし留意すべき点はあって、ネットワーク環境の法理が独立別個特殊に存在するかのような議論がされているのはおかしい。むしろ、ネットワークという新しい「社会の一側面」から、従来の社会の法理もまた連続したものとして見直されてしかるべきだろう。ネットワーク社会といえど、孤絶した社会ではなく、社会の一側面にすぎない。ネットワーク技術は社会を構成する新しい道具、所詮「道具」である。新しい道具によって新しい法状況が表れてくるのは確かだが、それに注目するとともに従来の社会の延長線として相互にフィードバックがされる契機となっていい。

 それでは、前々回の記事の二つのうちの前者は、どうなのか。

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