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2005.02.24

図書館学と情報学、法情報学(9) : 図書館の社会的本質と「情報」

 結局、図書館・情報学にとって、図書館という存在の本質は何なんでしょうか?自分も、「本質」なんてことばはなるべく使いたくありません。

 でも、研究者たちに問いたい。
 図書館が「そこにある」から部分部分を切り取って研究しているだけでは、何のフィードバックにもならない。フィードバックといっても、現場へ、じゃないですよ。社会への還元です。
 「分析」ということばはわかりますよね。ばらしただけではなくて、最低限、組み立ててみなくては理解したことにならないんです(部分部分だったら小学生の科学研究とどこが違うんだろう)。総体として見直してみて、それが社会的存在として、何であるのか。どのような機能が大事なのか。
 →【(9)公開前追記・(8)へのruckさんの最初のコメントを受けて】

 そして、図書館の経営に関わる人たちや図書館の実践を担う力のある経験者たちにも問いたい。
 経営指標は、計測可能な範囲の技術であって、そのものが「目標」じゃないんです。電子技術は、情報探索・提供のための道具でしかなくて、それを使った事業自体が「目的」じゃないんです。
 必要なのは、図書館がどんな社会制度であるかというしっかりとした認識と、実践に向けた目的、目標をもつか。そのためには、人間の社会をいかに意識して、自分たちがもっている「経験」をことばにしていくことが大事なのではないかと思います。

 だから、図書館学が考えたい「情報」と、情報学(情報技術)が考えたい「情報」の間には、明らかに乖離があります。
 図書館学が考えたい「情報」は、情報技術の考える情報(データベース)の先にある、社会的に共有さるべき認知的な「情報」モデルです。
 資料などの物理的な情報資源(インターネット上の電子データを含む)との関係を考えれば、元々共有していたものが、技術の発達によってもっと容易に共有できるようになった。だけど、そこでGoogleのような、電子"データ"の検索"技術"「のみ」に堕してしまったら。その先の、人間の認知に連なる理論的裏付けや、その具体的な社会的意義に連なっていかなかったら。
 自分が以前の記事で「そこが大事なんです!」と、欠けた学問、理論や方法の必要性を訴えていたのは、この、図書館学における「情報」の問題、社会制度としての図書館の視点に立った「情報」の問題に帰着するような気がします。

 以上で、「図書館学と情報学、法情報学」のシリーズはおしまいです。

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